グリーンカレー作りで最も頻発する失敗が「鶏肉のパサつき」と「野菜の煮崩れ」です。これらを完全に防ぐためには、調理科学に裏付けられたグリーンカレーの鶏肉の下ごしらえと、素材ごとの特性に合わせた具材を炒める順番のルールを徹底する必要があります。
鶏肉(もも肉またはむね肉)は、一口大に切った後に少量の酒と塩、さらに油を数滴揉み込んでおくことで、加熱時の急激な水分蒸発を防ぎ、しっとりとした弾力をキープできます。下味をつけた鶏肉は、最初に煮込むのではなく、油脂分を分離させたココナッツミルクの濃厚な上層部(ココナッツクリーム層)でペーストと共に炒め合わせるのが本場流の技法です。
具材を投入する理想的なプロセスは以下の通りです。
1. ココナッツオイル(または油)とペーストを弱火で炒め、香りを立たせる
2. 下ごしらえした鶏肉を加え、表面の色が変わるまで中火で炒め合わせる
3. ココナッツミルクとスープベースを注ぎ、火の通りにくいたけのこを加えて一煮立ちさせる
4. 別で素揚げまたは油通ししておいた茄子、パプリカを仕上げ直前に投入する
なすをあらかじめ高温の油で短時間素揚げしておくと、皮のアントシアニン色素が固定されて鮮やかな紫色を保てるだけでなく、スープの余分な水分吸収を防ぎ、噛んだ瞬間にジューシーな脂のコクが口いっぱいに広がる仕上がりになります。