『不協和音』の主人公である「僕」を体現した平手友梨奈の表現は、披露を重ねるごとに驚くべき進化を遂げました。2017年4月のリリース当初、CD音源に収録された「僕は嫌だ」は、冷徹でどこか無機質な、静かな意志を秘めた呟きに近いものでした。
しかし、全国ツアーやロックフェスなどの過密日程とプレッシャーの中で、彼女のパフォーマンスは急激に変化します。2017年夏以降のステージでは、喉を裂くような生々しい絶叫へと変貌を遂げ、ネット上では「もはやアイドルの枠を超えている」「鬼気迫る覚悟を感じる」と大きな衝撃を与えました。
平手自身が楽曲の世界観に完全に憑依し、現実世界の苦悩や孤独とシンクロさせていく過程で、「僕は嫌だ」は単なる歌唱パートではなく、表現者・平手友梨奈の生存証明とも呼べる叫びへと昇華していったのです。