匿名掲示板におけるゴールデンカムイのなんJ評価を振り返ると、連載序盤から完結に至るまで極めて高い水準を維持し続けた特異な作品であることが分かります。一般的なヒット作が連載長期化に伴う中だるみで批判を受けがちなのに対し、本作は常に読者の予想の斜め上を行く展開でスレを沸かせ続けました。
スレ民を夢中にさせた最大の要因は、綿密な歴史取材に裏打ちされた重厚なアイヌ文化・日露戦争の影と、突如として差し込まれる狂気的なギャグ描写のギャップにあります。シリアスな殺し合いの合間に繰り広げられる猟奇的な変態囚人たちの暴走や、男たちの奇妙な連帯感を描いたサウナシーン(バーニャ)などは、スレ内で無数の名言やネタコラを生み出し、実況の熱気を最高潮に押し上げました。
単なるギャグマンガに堕することなく、金塊争奪戦という太い一本のサスペンス軸を決してブラさなかった構成力の高さこそが、目が肥えたネット読者を「このマンガは別格だ」と唸らせた真の理由です。