編集者・見城徹の原点を辿ると、角川書店時代に打ち立てた数々の伝説に行き着く。『月刊カドカワ』の改革や文芸作品のプロデュースを通じて出版界に旋風を巻き起こした彼の手腕は、常に「作家との深い信頼関係」の上に成り立っていた。中でも作家・石原慎太郎をはじめとする大物著者たちとの血の通った絆は、単なる編集者と作家というビジネス上の関係を遥かに超えたものだった。
相手の懐に一切の躊躇なく飛び込み、己の命を削るような覚悟で原稿を迫る。作家に「この男のためなら命がけの作品を書く」とまで言わしめる深い関係性を築き上げた未公開の秘話は、今なお出版界の語り草だ。文体を徹底的に読み込み、作品の本質を命がけで探求する過酷な編集作業こそが、彼を怪物的なヒットメーカーへと覚醒させた原点にほかならない。