冷菓市場のトレンドはここ数年で劇的な転換点を迎えた。かつて王座に君臨していた「ぶどう味」といえば、濃縮還元果汁と香料で仕立てたどこかノスタルジックな甘さが定番だった。だが、消費者の舌は劇的に肥えている。その起爆剤となったのが、高級ブドウの代名詞となったシャインマスカットの台頭と、原点にして頂点である巨峰の再評価だ。
日本アイスクリーム協会の市場動向データを見ても、高価格帯フレーバーの牽引役としてフルーツ系、とりわけブドウ関連商品の伸長が際立つ。皮ごと搾ったストレート混濁果汁の採用や、収穫後数時間以内に急速冷凍するコールドチェーンの構築により、「果実以上に果実の味がする」規格外のプロダクトが次々と誕生。甘味、酸味、そして心地よい渋みまでも再現する設計思想が、大人の購買意欲を強烈に刺激している。