『セプテンバーさん』の魅力を語る上で欠かせないのが、2016年にリリースされたAimer(エメ)による公式カバーの存在です。シングル『蝶々結び』(野田洋次郎プロデュース楽曲)のカップリングとして収録されたこのバージョンは、原曲の魅力を損なうことなく、まったく異なる風景をリスナーに見せました。
RADWIMPSの原曲が、「少年が走り抜ける夏の残像と、息を切らしながら秋を受け入れる直情的な疾走感」を描いているとすれば、Aimer版は「大人が過去のアルバムをめくるように、失われた夏を慈しむ静謐なノスタルジー」に満ちています。
野田洋次郎のエモーショナルなハイトーンボイスは「今まさに過ぎ去ろうとする現在進行形の痛み」を突き刺しますが、Aimerのハスキーで深い歌声は「遠い過去の傷痕を包み込む祈り」へと楽曲を再構築しました。この対比は、楽曲自体のメロディと歌詞が持つ強靭な普遍性を如実に物語っています。