広大な福岡城跡を包み込む夜の静寂は、ライトシステムが点灯した瞬間、躍動感あふれる光の舞台へと変貌を遂げる。都市のオアシスとして親しまれる舞鶴公園の敷地内には、潮見櫓や多聞櫓をはじめとする重厚な歴史的建造物・史跡が点灯箇所の主軸として鎮座している。かつて城壁を覆っていた静寂は払拭され、刻まれた石垣の凹凸が陰影を際立たせ、昼間とは全く異なる彫刻的な表情を見せる。
長年にわたり都市のシンボルとして地域を見守ってきた城址の光彩は、ただ明るく照らすだけの照明ではない。木々の落葉と芽吹き、季節の風の匂いに呼応するよう緻密に設計された光が、かつての天守台跡周辺を優しく包み込む。立ち止まり、頭上を見上げる人々からは自然と感嘆の声が漏れる。