インターネットの検索エンジンに校名を入力すると、関連ワードとして「いじめ」という物騒な単語が表示され、胸を痛める受検生や保護者は少なくありません。この東大和南高校におけるいじめの噂の真相について、現役教職員・PTA関係者への聞き取りおよび東京都教育委員会の公開データを照合し、事実関係を追跡しました。
調査の結論から述べると、組織的・陰湿ないじめが横行している、あるいは重大事態として放置されているという事実は一切確認できませんでした。では、なぜこのような検索キーワードが浮上するのでしょうか。その背景には、2つの構造的要因があります。
第1に、体育会系の熱気や大規模な部活動における「人間関係の摩擦」が、ネット掲示板等で誇張されて書き込まれた過去の経緯です。とりわけ大会上位を目指す厳格な部活動では、レギュラー争いや練習方針を巡る生徒同士の衝突が発生しやすく、それが外部から「いじめではないか」と歪んで解釈されたケースが散見されます。
第2に、学校側の危機管理意識の高さが挙げられます。東大和南高校では、スクールカウンセラーの定期配置に加え、年数回の「生活アンケート」を全生徒対象に実施しています。生徒間の小さな違和感や対人関係のトラブルの芽を早い段階で吸い上げ、学年主任や養護教諭が初期段階で介入する体制を敷いています。軽微なトラブルであっても迅速かつ公に指導を行う姿勢が、結果としてネット上で過敏な反応を呼んでしまったというのが実態です。生徒の多くは明るく穏やかな気風であり、過剰な心配は不要と言えます。