難波のお好み焼きを語る上で欠かせないのが、長年磨き抜かれてきた生地のベースとなる「出汁(だし)」の存在だ。昆布と鰹節から丁寧に引いた和風出汁をブレンドし、キャベツの水分量やその日の気温に応じて粉の配分を数グラム単位で調整する。この職人の勘と経験が、理想的な食感を生み出している。
キャベツの切り方ひとつとっても、時期によって葉の硬さを見極め、みじん切りと細切りを使い分ける徹底ぶりだ。鉄板の温度を200度前後に保ち、生地の中に空気を抱き込ませるようにして焼くことで、口の中で解けるようなフワフワ感が完成する。半世紀以上変わらない暖簾の奥には、妥協なき職人魂が息づいている。