5人組ユニットである以上、ネット上では「人気順」に関する議論がしばしば交わされます。しかし、ワルキューレの特筆すべき点は、一般的なアイドルグループにありがちな「特定のセンターへの人気の一極集中」が起きず、物語の進展とともにファンが推しを変化・深化させていった点にあります。
初期においては、オーディションを勝ち抜いた主人公・フレイア(鈴木みのり)の愛くるしさと、謎の美少女ボーカリスト・美雲(JUNNA)の爆発的な歌唱力がライト層を強く牽引しました。オリコン週間アルバムランキングで第1位を獲得した1stアルバム『Walküre Attack!』(日本レコード協会ゴールドディスク認定)の衝撃は、このツインボーカルの破壊力によってもたらされたと言えます。
しかし、シリーズ中盤から爆発的な熱狂を生んだのが、リーダーのカナメ(安野希世乃)でした。劇中で描かれたエースパイロット、メッサー・フロストとの切なくも気高い絆、そして挿入歌「AXIA〜ダイスキでダイキライ〜」のドラマ性は、多くのアニメファンに深い爪痕を残しました。このエピソードを境に、カナメを「最推し」として挙げる熱狂的なファンが急増したことは、当時のSNSやコミュニティの反響からも明白です。
さらに、東山奈央と西田望見による「レイマキ」コンビは、複雑なフォーメーションダンスとコーラスを寸分の狂いもなく支え続ける職人技でライブ通の心を掴みました。誰か一人が欠けても成立しない精緻なハーモニーを目の当たりにしたファンは、最終的に「5人全員が揃ったワルキューレそのものが至高である」という境地に達したのです。