出場する芸人たちにとって、審査員は神に近い存在だ。特に、同業者であり、かつて同じ舞台でしのぎを削った先輩からの言葉は、ナイフのようにも、あるいは最高の特効薬にもなる。ある若手コント師は匿名を条件にこう語った。「あの人の目は、僕らのネタの『手抜き』を瞬時に見抜く。技術的なミスなら言い訳ができるが、『魂がこもっていない』と見透かされるのが一番怖い」。
審査員席からのたった一言のアドバイスで、翌日から劇場の出番が増えた芸人もいれば、逆に自信を喪失して解散を選んだコンビもいる。彼らが背負う責任の重さは、私たちがテレビ画面越しに想像するものを遥かに超えている。