映画レビューサイト各社のスコアを検証すると、Filmarksで平均★3.9〜4.0、映画.comでも★3.8と、コメディ映画としては異例の超高水準を維持しています。視聴者の口コミ分析を行うと、賞賛の声は主に以下の3点に集約されます。
- 「事件が何も起きないのに2時間一切退屈しない」という脚本密度の高さ
- 「夏帆と臼田あさ美の演技が自然体すぎてドキュメンタリーに見える」というリアリズム
- 「自分自身の職場でのどうでもいい会話を猛烈に愛おしく感じた」という共感性
制作の舞台裏を取材した各種ドキュメンタリーやメイキング映像において、監督の住田崇氏とバカリズムは「芝居のテンポをあえて落とす演出」を徹底したと明かしています。通常のテレビドラマや商業映画では、セリフのテンポを上げて無駄な間(ま)を削ぎ落とすのがセオリーです。しかし本作では、「スマホを見ながら適当に相槌を打つ」「口の中にパンが入っていてモゴモゴ喋る」「相手の言葉を最後まで聞かずに別の話題を被せる」といった、実際の人間関係でしか発生しない微細なノイズを意図的にすべて残しています。
特に夏帆が演じた親友・マキちゃんとの掛け合いは圧巻です。実年齢や芸歴の離れたバカリズムに対し、夏帆は何の躊躇もなく「升野、それマジでないわー」と言わんばかりのナチュラルなタメ口でツッコミを入れます。また、頼れる姉御肌の小峰様を演じた臼田あさ美の立ち居振る舞いは、全国の働く女性から「うちの職場にも絶対にいてほしい憧れの先輩」として熱烈な支持を集めました。大袈裟な芝居を徹底して排除し、役者同士の信頼関係から滲み出る「空気の振動」をフィルムに定着させたことが、高評価の根幹にあります。