一方で、矢口真里が辿った軌跡は、日本のアイドルビジネスと世間の「許し」の構造を象徴している。世間を揺るがしたスキャンダル以降、彼女はバラエティでの自虐や反省キャラを完璧に演じ切ることで生き残りを図ってきた。そのプロ意識と立ち回りの上手さは、業界内でも高く評価されてきた歴史がある。
だが、その「いじられ役」としての生存戦略も、コンプライアンス重視の波の中で賞味期限を迎えつつある。過去の過ちを蒸しかえして笑いを取る手法自体が、「ハラスメント」や「いじめの構造」に見えかねない時代になったからだ。元トップアイドルとしての華やかな経歴と、泥臭いバラエティ対応力の狭間で、彼女がどのような新しいアプローチを提示できるかが注目されている。