苦労して成形した自作マウスピースや、歯科医院で精密に作成したナイトガードも、日々のメンテナンスを怠ればすぐに細菌の温床となります。口腔内は温度と湿度が保たれており、カンジダ菌やプラークが付着しやすい過酷な環境です。
正しいマウスピースお手入れ方法の鉄則は、「毎朝外したらすぐに水またはぬるま湯で指洗いすること」です。ここで絶対に避けるべきなのが、研磨剤入りの歯磨き粉を使用することです。研磨剤によって樹脂の表面に目に見えない無数の微細な傷がつき、そこに細菌やカビが入り込んで頑固な悪臭や黄ばみの原因になります。また、「熱湯消毒」も厳禁です。熱によって樹脂が再変形し、せっかく合わせた噛み合わせが一瞬で台無しになります。
日々の洗浄には専用の市販マウスピース洗浄剤や、泡タイプの義歯洗浄剤を活用し、週に2〜3回程度浸け置き除菌を行うのが理想的です。洗浄後は直射日光を避けて自然乾燥させ、通気孔のついた専用ケースに保管します。ペットを飼っている家庭では、犬や猫が唾液の匂いに引き寄せられて噛み砕いてしまう事故が非常に多いため、必ず手の届かない強固なケースに収納する管理意識が不可欠です。