こんにゃく芋を扱う上で、絶対に知っておくべき重大な注意点があります。それは生食における強烈な毒性と危険性です。
こんにゃく芋の生身には、高濃度のシュウ酸カルシウムの針状結晶が無数に含まれています。誤って生のまま口に含むと、無数の微細なガラス針が刺さったような激痛が走り、口内や喉が激しく腫れ上がって呼吸困難に陥る恐れがあります。調理前の芋を素手で触るだけでも激しい痒みやかぶれを引き起こすため、下処理時は厚手のゴム手袋とエプロンの着用が必須です。
このシュウ酸カルシウムを無毒化し、食物繊維であるグルコマンナンを凝固させて安全でおいしい食品に変えるのが、アルカリ水溶液(炭酸ナトリウムや消石灰、ホタテ貝殻焼成カルシウムなど)を用いた伝統的な手作りこんにゃくの作り方です。
皮を剥いて茹でた芋をミキサーですり潰し、50℃〜60℃の湯を加えて粘りが出るまで力強く練り上げます。そこに適量のぬるま湯で溶いた凝固剤を素早く混ぜ合わせて型に流し込み、30分以上放置して固まった後、たっぷりの沸騰したお湯で30分〜40分しっかり茹でてアク抜きを行うことで、初めて安全で弾力ある絶品こんにゃくが完成します。