「毎年木ばかり茂って一向に花が咲かない」という現象には、植物生理学に基づいた明確な理由が存在します。ボケの花芽形成メカニズムを理解することが、剪定成功への最短ルートです。
ボケの花芽は、春から伸びた枝のうち「長さ10cm未満の短い枝(短枝)」に集中して形成されます。勢いよく勢力を伸ばす長い枝(徒長枝)には、葉にしかならない葉芽(ようが)ばかりがつき、花芽はほとんどつきません。花が咲かない主な要因は以下の3点に集約されます。
- 短枝を誤って切り落としている:丸っこい花芽がついた短い枝を「邪魔な小枝」と勘違いして切り詰めてしまう。
- 夏以降に強剪定を行った:7〜8月に作られた花芽を秋口の刈り込みで一斉に刈り取ってしまっている。
- 窒素肥料の過多と日照不足:葉ばかりが茂る栄養成長に偏り、花芽を作る生殖成長へ移行できていない。
冬場の枝を観察すると、芽の形状には明らかな違いがあります。ふっくらと丸みを帯びて膨らんでいるのが「花芽」であり、細長く尖っていて枝に張り付くようについているのが「葉芽」です。秋から冬の剪定では、このふっくらした花芽を枝元に2〜3個残すようにハサミを入れることが絶対原則となります。