受験生や保護者から最も多く寄せられる疑問が「経営学部、商学部、経済学部のどれを選ぶべきか」という点です。学問領域の境界が曖昧に見える3学部ですが、大学での講義体系や企業の採用担当者が抱く印象には明確な差異が存在します。
経済学部が「国家や社会全体の富の循環、市場原理」をマクロ・ミクロの視点から数理的に解き明かす学問であるのに対し、商学部は「商品が消費者に届くまでの流通、貿易、簿記会計や金融取引の実務」に焦点を当てます。そして経営学部は、企業という最小単位の組織において「ヒト・モノ・カネ・情報をいかに配分し、イノベーションを起こすか」を追究する学問です。
大手コンサルティングファームの人事担当者は、取材に対して次のように現場の本音を語っています。
「経済学部の学生は論理的思考力やデータ分析力に長けている傾向がありますが、組織の生々しい人間関係や現場のオペレーションに無頓着なケースも散見されます。一方、経営学部でケーススタディやチームプロジェクトをこなしてきた学生は、正解のないビジネスの現場で『どう人を動かし、合意を形成するか』という肌感覚を身につけており、現場への配属初日から即戦力として立ち上がるスピードが極めて速いのが特徴です」
公認会計士や税理士などの国家資格取得、あるいは銀行や証券会社の専門職を狙うなら商学部も有力な選択肢ですが、事業会社の総合職、マーケティング部門、新規事業開発、経営企画などを志す場合、経営学部で学ぶ知識と実践経験が就職活動における最大の強みとなります。