彼女のキャリアの原点は、確かな専門知識と地道なデータの蓄積にある。管理栄養士として人間の身体と栄養素の関係を見つめ続けてきた彼女は、学術的権威である日本調理科学会での知見を現場へと還元してきた。感覚的な「少々」や「適量」という言葉を排除し、誰もが同じ美味しさを再現できる計算式へと落とし込む。その姿勢が結実したのが、主婦の友社から刊行された数々のベストセラー書籍だ。
「料理が苦手だと感じる人の多くは、センスがないのではなく、単に化学反応のルールを知らないだけ」と言い切る。肉の保水性を最大限に高める加熱速度、野菜の細胞壁を崩さない塩分濃度のバランス。その一切に妥協のない数値的根拠が存在する。