この10年で、芸能人とSNSを取り巻く環境は激変した。事務所によるアカウント管理の厳格化、コンプライアンス遵守の徹底、炎上リスクのモニタリング……。現在では、2016年に起きたような生々しく衝動的な感情の吐露がネット上に放置されることはまずあり得ない。
その意味で、あの泥沼騒動は「アナログな個人の感情」が「デジタルな拡散装置」と直結してしまった最後の時代のエピソードだったと言える。現代の洗練された(そして時に無菌化された)SNS空間から振り返ると、あの狂乱はいびつでありながらも、どこか人間臭いドラマの過剰摂取であったのかもしれない。