お金がなくて歯医者に行けない時の救済策|放置のリスクと受診法

お金がなくて歯医者に行けない時の救済策|放置のリスクと受診法

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ネット上には「虫歯の痛みを放置していても、市販の痛み止めを飲み続けて神経が死ねば痛くなくなるから問題ない」という極めて危険な俗説が蔓延しています。これは医学的な事実から完全に乖離した重大な誤解です。

痛みが消失するのは治癒したからではなく、知覚を司る神経細胞が壊死して感覚を失ったに過ぎません。神経という防御壁を失った病巣内部では、嫌気性細菌が爆発的に増殖を続けています。放置された細菌毒素はやがて歯根を取り囲む歯槽骨を破壊し、骨髄炎や「歯性上顎洞炎(蓄膿症)」へと波及します。重症化した場合、顔面が大きく腫れ上がる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」を引き起こして気道を圧迫し、最悪の場合は細菌が血流に乗って全身に広がる「敗血症」や「感染性心内膜炎」に至り、集中治療室での全身管理を要する事態に発展します。

また、「抜歯して放置すれば治療費がかからない」という考えも破綻しています。歯を失った隙間を長期間放置すると、対合する上下の歯が伸び出し、両隣の健康な歯が欠損部に向かって倒れ込んできます。結果として口全体の噛み合わせが不可逆的に崩壊し、将来的に失う歯の本数が増加します。数千円の処置を忌避した結果、最終的に百万円単位の全顎的リハビリテーション治療が必要になるという悲劇が、臨床現場では日常的に繰り返されています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。