現場となったホテルから遺体が発見された直後、北海道警察は大規模な捜査本部を立ち上げ、すすきの周辺の防犯カメラ映像を洗うなど迅速な捜査を展開した。しかし、犯行の異常さゆえに、初期のメディア報道はゴシップ的な側面や猟奇性ばかりを過剰に強調するきらいがあった。
だが、真相は単なる猟奇殺人という言葉だけで片付けられるものではない。捜査の手が自宅へと伸び、異様な室内環境や密室化された家族関係が明らかになるにつれ、事件の深層には孤立した個人の精神的危うさと、それを抱え込みすぎた家庭の崩壊が存在していたことが見えてきた。メディアが提示する「衝撃的なニュース」の裏側には、社会から零れ落ちた人々が織りなす切実で悲劇的なドラマが隠されていたのである。