ネット上のコミュニティやSNSでは、「ゲップが出ない=育児の手技が下手」「母乳だとゲップをさせなくてよい」といった極端な言説が見受けられますが、これらは医学的な事実と異なります。
第一に、母乳栄養であっても吸着(ラッチオン)が浅い場合や、母乳の分泌勢いが強い場合は大量の空気を飲み込みます。完全母乳育児であっても排気ケアは必須です。一方で、上手に母乳を密着して飲めている赤ちゃんは空気をほとんど飲み込まないため、最初からゲップが出ないケースも多々あります。
第二に、口からゲップとして出なかった空気は、腸を通過して「おなら」として自然に排泄されます。授乳後にゲップが出なくても、機嫌よく眠っており、定期的におならが出てお腹の張り(腹部膨満)がなければ、過度に心配する必要はありません。
また、ゲップと同時に少量のミルクがタラーッと垂れる「溢乳(いつにゅう)」は、新生児期には生理的にごく自然な現象です。噴水のように1メートル以上激しく噴き出す場合や、体重増加不良、嘔吐物に緑色の胆汁が混ざっている場合を除き、機嫌が良ければ発育上の問題はありません。