Q1:電圧降下が内線規程の許容範囲を超えてしまった場合、実際に接続機器へどのような実害が出ますか?
A1:低電圧状態が継続すると、まずモーター類ではトルク不足が生じて始動できなくなったり、過電流が流れて巻線が異常発熱・焼損したりします。また、インバータ機器やパソコンなどの電子機器では、内部電源回路の保護機能が働いてリセットやエラー停止(UVアラーム)が頻発します。さらに、マグネットスイッチの接点圧着力が低下して激しいチャタリングを起こし、接点の溶着や火花による火災事故を誘発する恐れがあります。
Q2:幹線と分岐回路の電圧降下の内訳は、必ず「2%ずつ」に分けなければいけないのでしょうか?
A2:厳密にそれぞれ2%以内で収めるのが内線規程の原則ですが、合計値としての機能を満たしていれば現場の実情に応じた融通が可能です。例えば、受電点から分電盤までの幹線が非常に短く降下率が「0.5%」で済んでいる場合、分電盤から末端までの分岐回路が長距離であれば、分岐側で「2.5%」消費しても受電点からの合計降下率は「3.0%」となり、全体の規定値(低圧受電なら合計4%以内)を下回ります。負荷端での最低電圧が機器仕様をクリアしていれば、実務上は合計値での柔軟なバランス調整が認められるケースが多くあります。
Q3:電線サイズを大きくしても電圧降下が基準値に収まらない場合の抜本的な対策は何ですか?
A3:長距離配線で電線をこれ以上太くできない(盤の端子に入らない、配管に通らないなど)場合は、以下の3つの対策を講じます。第一に、電線を2本並列に敷設する「並列配線(2パラ)」を採用してインピーダンスを半減させる手法。第二に、高圧受電設備であれば変圧器のタップを「6600Vから6450V/6300V」等へ切り替えて送出側の二次側電圧を意図的に引き上げる(210V送出にする)手法。第三に、可能であれば分電盤自体の設置位置を負荷の密集地帯へ移設し、幹線の長さを短縮して配線長そのものを根本から見直す手法が極めて有効です。