長寿大国の象徴ともいえる100歳以上の高齢者数は、厚生労働省の最新発表資料で9万5,000人を突破し、10万人到達が目前に迫っています。そのうち実に約88%が女性であり、センテナリアン(100歳以上の人)の世界は実質的に女性社会であるといっても過言ではありません。
しかし、実際の生活現場から聞こえてくるのは祝賀ムード一色ではありません。介護福祉の現場取材や関係者の証言によると、超高齢期を迎えた女性たちの心理には複雑な明暗が交錯しています。
地域密着型介護老人福祉施設のケアマネージャーは、現場の実情を次のように吐露します。
「100歳を迎えられて表彰を受ける入居者様は皆さま誇らしげな笑顔を見せてくださいます。一方で、個別の面談や手記の記録には『同世代の友人も夫も先立ってしまい、相談相手がいない』『子どもに介護負担を背負わせているのが心苦しい』という切実な告白が日常的に残されています。身体の衰えだけでなく、社会的孤立と罪悪感をどうケアするかが日々の大きな課題です」
SNSやネット上のコミュニティでも、「親が90代半ばを越えて元気に長生きしてくれるのはありがたいが、介護する自分自身が70代になり老老介護で限界を迎えている」「預貯金が寿命より先に底をつくのではないかという長寿リスクに怯えている」といった家族側の生々しい悲鳴が溢れています。長寿化がもたらす家族関係の歪みや、長期化する経済的負担というリアルな重圧は、美辞麗句だけで片付けられる段階をとうに過ぎています。