「横綱に勝てば誰でも金星になる」というのは、大きな誤解だ。日本相撲協会が定める規定において、金星が認められるためには極めて厳格な条件を満たさなければならない。
最大のポイントは、勝利した力士の番付である。金星の対象となるのは、役付き(大関・関脇・小結)ではない「前頭(平幕)」の力士に限られる。どんなに劇的な勝利であっても、大関や関脇が横綱を倒した場合には金星とは呼ばれない。あくまで番付上位の絶対者を、格下の平幕力士が打ち破る「下剋上」にのみ、その価値が認められるのだ。
さらに、不戦勝では金星は成立しない。実際に土俵で相撲を取り、白星を挙げることが不可欠となる。極限の緊張感の中で真っ向からぶつかり合い、掴み取った白星だけが「金星」という輝かしい名誉に変わる。