消費者が最も頭を悩ませる「結局、毎朝食べるならマーガリンとバターのどちらを選ぶべきか」という疑問について、最新の栄養成分データを突き合わせて客観的に比較します。
データが示す通り、多くの消費者が抱く「バター=天然で安全、マーガリン=人工で危険」という単純な二元論は、現代の栄養科学の前では崩れ去っています。
意外に知られていない事実として、バターには反芻動物(牛)の胃内発酵によって生じる天然のトランス脂肪酸が100gあたり約1.5〜2.2g含まれています。一方、技術革新を遂げた近年の国産マーガリンは100gあたり0.4〜0.9g前後に抑えられており、トランス脂肪酸の絶対量だけで比較すれば、実は現在のマーガリンの方がバターよりもトランス脂肪酸が少ないという逆転現象が起きています。
さらに注目すべきは動脈硬化に関わる脂質の内訳です。バターは動物性脂肪であるため、心血管疾患の主要リスクとされる飽和脂肪酸およびコレステロールが突出して高くなっています。対してマーガリンは植物性油脂を主原料とするためコレステロールがほぼゼロであり、多価不飽和脂肪酸を多く含みます。血中脂質や動脈硬化の予防という観点では、一概にバターが優位とは言えないのが実態です。
なお、一般家庭で「マーガリン」と呼ばれて親しまれている製品の多くは、日本農林規格(JAS)上のファットスプレッドに該当します。油脂含有率が50%以上80%未満と低く、水分比率が高いため、カロリーを抑えながらトランス脂肪酸量も極小化されているのが特徴です。