どこのジムに行っても同じマシンが置いてあるわけではない。導入されているフィットネスマシンの設計思想によって、筋肉にかかるテンションの質は大きく変化する。世界的なツートップであるTechnogym(テクノジム)とLife Fitness(ライフフィットネス)のマシンを比較すると、そのアプローチの差異は極めて興味深い。
人間工学と流麗なイタリアンデザインを融合させたTechnogymのマシンは、初動からフィニッシュまで極めて滑らかなカム構造を採用している。動作の全域で均一なテンションがかかり続けるため、筋肥大に必要な「タイム・アンダー・テンション(筋肉が緊張している総時間)」を稼ぎやすい。特に骨盤のホールド感が高く、関節への急激な衝撃を排除した設計は、女性のボディメイクやリハビリテーション局面でも絶大な支持を得ている。
一方で、アメリカンストレングスの真髄を体現するLife Fitnessのマシンは、収縮ポジション(脚を開ききった瞬間)で最も強いピーク負荷がかかるようにチューニングされている。可動域の終末で強烈な筋収縮を要求されるため、筋肉へのパンプ感と高強度の筋刺激を求めるハードコア層に好まれる。どちらが優れているかではなく、自分の骨格やその日のトレーニング目的に応じてマシンの特性を使い分ける視点が、玄人への第一歩だ。