事業再編の嵐が吹き荒れる中でも、グループの精神的基盤はびくともしない。その根底に流れているのは、創業家祖である住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書」だ。「浮利を追わず」――目先の不当な利益に目を奪われず、信用と確実性を最優先するというこの戒めは、400年もの間、一貫してグループの倫理規範として受け継がれてきた。
一見すると保守的に映るこの哲学こそが、実は不確実性の高い現代において最大の強みを発揮している。目先のバブルや投機的流行に流されることなく、真に社会的価値のあるイノベーションへ持続的に資本を投入する決断力。持続可能な経営(ESG)が叫ばれる遙か昔から、住友のDNAには「公私一如」の精神が組み込まれていた。歴史に裏打ちされた高い倫理観が、投資家からの揺るぎない信頼を支えている。