行政の支援が制限される中でも、村人たちが絶望に打ちひしがれているわけではない。厳しい自然環境と隣り合わせで生きてきた彼らには、先祖代々受け継がれてきた逞しい生存の智慧がある。マイナス30度を下回る厳冬期、暖房用の薪や保存食の確保はコミュニティ全体で支え合う。
秋のうちに収穫したキャベツやキノコを塩漬けにし、地下室(ポドヴァル)に蓄える作業は、今も変わらぬ村の重要な風物詩だ。どれほど世情が混沌としようとも、ペチカ(ロシア式暖炉)の温もりのもとで温かい紅茶を飲み交わすひとときは、住人たちにとってかけがえのない精神的な支柱であり続けている。