志垣太郎の名をアニメ史に不滅のものとしたのが、不朽の名作『ベルサイユのばら』におけるアンドレ・グランディエ役の熱演だ。漫画家・池田理代子が描く壮大な歴史絵巻と繊細な人間模様を、彼は声だけで完璧に立ち上がらせてみせた。主人公オスカルを陰から支え、運命の濁流の中で一途な愛を貫くアンドレの決意。その切なくも力強いボイスパフォーマンスは、放送から長きにわたる年月が経過した現在でもアニメファンの語り草となっている。
劇中で見せた情熱的なセリフ回しは、実力派俳優ならではの重厚な説得力に満ちていた。単に言葉をなぞるのではない、役の魂そのものを宿したようなアフレコは、後年の声優業界における「俳優によるキャラクター表現」の金字塔として高く評価されている。