檻の前に掲げられた展示パネルに目をやると、専門用語を並べたお仕着せの説明文はどこにもない。そこにあるのは、飼育員たちが日々観察して書き留めた、温かみのある手書きのイラストとエピソードだ。
「今日は〇〇がちょっと不機嫌です」「この子は〜の仕草をするのが癖です」といったリアルリアルタイムな情報が、動物たちを単なる「展示物」から「個性的で愛すべき隣人」へと変える。
解説文を読み込みながら動物と視線を合わせる。その瞬間、来園者と動物の間に言葉を超えたコミュニケーションが生まれる。デジタル化が進む世の中だからこそ、こうしたアナログで泥臭い情熱が、人々の心に深く刺さるのだ。