ネット上のコミュニティやSNS(X・知恵袋)を丹念に追跡すると、コンビニで減塩生活を試みた人々の生々しい葛藤と失敗談が浮かび上がってくる。
都内のIT企業に勤める30代男性は、健康診断で血圧の高さを指摘された際の体験を次のように手記で吐露している。「健康のために毎日コンビニのサラダチキンと具だくさん豚汁、海鮮サラダを選んでいた。だが2ヶ月後の再検査でも血圧は下がらず、不思議に思って管理栄養士に相談したら『その組み合わせだけで塩分5gを超えていますよ』と告げられて愕然とした」。ヘルシーな単語の並びに気を取られ、食塩の絶対値を見落としていた典型的な失敗例だ。
また、むくみに悩む20代女性のコミュニティ投稿では、「夕食にコンビニのパスタサラダと低カロリースープを食べていたが、翌朝まぶたがパンパンになる。成分を見たらパスタのドレッシングだけで塩分1.8g、スープで2.5gあった。低カロリー=低塩分だと思い込んでいた」という反省の声が多くの共感を集めていた。
現場のコンビニ棚を観察すると、メーカー側のマーケティング戦略と消費者のリテラシーの間に明らかなギャップが存在する。「糖質オフ」「たんぱく質〇〇g」「1日分の野菜」といったポジティブな訴求はパッケージ前面に大きく印字されるが、「減塩」の訴求はまだまだ控えめだ。一般消費者が無防備に健康感のあるアイテムをカゴに入れると、塩分過多の罠にそのまま落ちてしまう構造が透けて見える。