今回、当編集部は普段立ち入ることのできない映写室の裏側を含めた独占取材を敢行した。重厚なドアを開けると、微かに香るフィルムの匂いと機材の動作音が漂う。そこは長年にわたり銀幕の光を支え続けてきた職人たちの息吹が充満する、特別な空間だった。
「上映ラインナップひとつをとっても、ただ話題作を並べるわけではない」。現地スタッフはそう熱弁する。メジャーな映画館が画一的な興行に走るなか、ここでは長年の歴史に裏打ちされた独自の美学と、映画ファンを歓喜させる隠れた名作への偏愛が上映の軸となっている。スクリーン裏で紡がれる技術者のこだわりこそが、何世代にもわたる観客の心を掴んで離さない理由だ。