インターネットカルチャーが隆盛を極める過程で、レレレのおじさんは時として「徘徊する不気味な老人」「怪談のモチーフ」として消費される傾向が見られました。白目を剥いた独特のキャラクターデザインや、下半身が見えないほどの高速移動描写が、ホラー的なミームとして格好の素材にされたためです。
しかし、原作を客観的に精読すれば、彼が悪意を持って誰かを傷つけたり、犯罪行為に手を染めたりした描写は皆無です。むしろ、バカボンのパパや本官さん(目ン玉つながりのお巡りさん)が巻き起こす破壊的な大騒動に対し、常に中立で穏やかなストッパーの役割を果たしています。
さらに見落とされがちな盲点として、彼の卓越した社会性が挙げられます。おじさんは掃除を通じて道路の安全を確認し、行き交う住民の顔色を伺い、不審者がいれば声をかけて街の治安を守る、いわば「元祖・地域見守りネットワーク」の役割を一人で担っています。ネットのデマが描くような狂気とは正反対の、人間味あふれる利他精神と温もりが、彼の行動原理の根底には流れています。