ネット上の掲示板やSNSでは、「二次創作は文化として公式に認められている」「ガイドラインがないから自由に描いて良い」といった言説が散見されます。しかし、これは業界の商慣習に対する重大な誤解です。
小学館や藤子・F・不二雄プロをはじめとする大手出版社・権利元が、二次創作に対する公式ガイドラインをあえて制定していない理由は、「明文化して許可を出してしまうと、管理責任が生じ、同時にブランドのコントロールを失うから」に他なりません。つまり、現在ファン活動が行われている状態は「容認」ではなく、あくまで「実害が軽微であるために権利者が訴権を行使していない(黙認している)状態」に過ぎないのです。
さらに、2018年末の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)発効に伴い、日本の著作権侵害罪は一部非親告罪化されました。「対価を得る目的で、原著作物の収益に大きな影響を与える行為」等に限定されているものの、「権利者が告訴しなければ絶対に警察は動かない」という従来の前提は崩れつつあります。特にデジタル空間で有料ダウンロード販売を行い、多額の売上を得る行為は、いつ法的制裁が下ってもおかしくない綱渡りの状態であることを理解する必要があります。