「痛む場所を揉めば血流が良くなって治る」という思い込みは、モートン病において極めて危険な誤解です。この疾患で生じる痛みや灼熱感の正体は、足指へ向かう末梢神経が、足の骨(中足骨頭)とそれらをつなぐ「深横中足靭帯」の間に挟み込まれて生じる絞扼性神経障害にあります。特に中指と薬指の間(第3-4足趾間)は解剖学的に神経が合流して太くなっているため、圧迫を受けやすい構造です。
圧迫が長期間続くと、傷ついた神経の周囲に線維化が起きて「仮性神経腫」と呼ばれるコブ状の腫大が形成されます。すでに強い圧迫を受けて腫れ上がっている神経に対して、上から指で強い圧力をかけたり、ツボ押し棒で刺激したりすればどうなるでしょうか。組織間の摩擦と内圧が急上昇し、モートン病悪化の決定的な理由となる微小血管の破綻や急性炎症の引き金を引いてしまいます。
さいたま中央フットケア整体院の院長・冨澤敏夫柔道整復師が現場から発信している知見でも、「痛いところを直接揉むのではなく、足裏にかかる異常な圧力勾配を解消すること」がセルフケアの絶対原則として掲げられています。足裏のしびれ改善法を模索する中で、患部そのものを力任せに押圧する行為は、傷口に直接塩を擦り込む行為と変わりません。