運転免許を持つすべてのドライバーが知っておくべき決定的なルールが、道路交通法第71条第5号の4に規定されている「初心運転者等保護義務」です。この条文には明確な罰則が設けられており、違反した場合には刑事処分の対象となります。
具体的には、法令で定められた標識を掲示している車両に対して、危険防止のためやむを得ない場合を除き、側方への幅寄せや、無理な割り込み(追越し時の進路変更など)を行うことが禁止されています。これに違反した場合、普通車であれば反則金6,000円(大型車7,000円、二輪車6,000円、小型特殊車5,000円)および違反点数1点が科されます。あおり運転の厳罰化が進む2026年現在の交通環境において、この保護義務違反は厳格な取り締まり対象となっています。
さらに見過ごされがちなのが、当事者側の障害者マークの表示義務です。肢体不自由のドライバーが掲示する四つ葉マーク(身体障害者標識)は、道路交通法第71条の5第2項により「努力義務」と位置づけられており、表示しなくても罰則はありません。しかし、政令で定める特定条件の下で免許を取得・更新した聴覚障害者が掲示する蝶マーク(聴覚障害者標識)は、同法第71条の6第1項によって完全な義務(表示義務)と定められています。
聴覚障害者が蝶マークを表示せずに普通自動車を運転した場合、「初心運転者等標識義務違反」として反則金4,000円および違反点数1点が科されます。周囲の配慮を求めるだけでなく、当事者にも交通安全確保のための法的責務が課されている点に注意が必要です。