伊和神社を語る上で欠かせないのが、本殿の北西裏手に鎮座する「鶴石」にまつわる伝承です。社伝によると、伊和恒という人物に「我を祀れ」との神託があり、その場所を訪れると、雪の降る中に二羽の白鶴が石の上で身を寄せ合い、眠るように休んでいたとされています。その石こそが鶴石であり、神が鎮まった聖地として社殿が建立された起源とされています。
一般的に神社建築は南面または東面を向くことが多い中、伊和神社の本殿は北面を向いて鎮座しています。これには「鶴石の方向を向いている」「出雲大社(島根県)や祖神の方角を遥拝している」など諸説が存在し、神道考古学の観点からも極めて珍しい構造として注目されています。
大己貴神の御神徳により、伊和神社がもたらすご利益は多岐にわたります:
- 良縁成就・縁結び:出雲の大国主神と同神であることから、男女の縁のみならず、仕事や人間関係の良縁を結ぶ力が強いとされます。
- 家内安全・病気平癒:少彦名神とともに医薬の道を拓いた歴史から、無病息災を願う参拝が絶えません。
- 事業繁栄・交通安全:播磨と因幡を結ぶ因幡街道の要衝に位置することから、道中安全や商売繁盛の祈願所としても機能してきました。