ズートピアの真骨頂は、数秒しか画面に映らないような背景のキャラクターにまで、徹底的な「生」が吹き込まれている点にある。免許センターのナマケモノ・フラッシュが醸し出す絶妙な間隙の笑いは、現代社会の官僚主義に対する痛烈な風刺でありながら、一瞬で観客の心を掴む。
強面でありながら密かにポップスターを推すボゴ署長、威厳とチャーミングさを兼ね備えたツンドラ・タウンのボス、ミスター・ビッグ。彼らの一挙手一投足には、画面の隅々まで探索したくなるような中毒性が潜んでいる。背景で繰り広げられる小ネタの数々は、一度の鑑賞では到底咀嚼しきれない情報量だ。