組織マネジメントの成功事例を紐解くと、急成長する企業ほど早い段階で「経営」と「運営」の分離を実行しています。
創業期のスタートアップでは、創業者自らが経営と運営のすべてを一手に担うことが珍しくありません。しかし、従業員が30名から50名の壁を迎えるフェーズで、創業者が現場オペレーションから完全に手を引き、事業責任者(COOやマネージャー層)へ運営権限を委譲できるかどうかが、その後の成長曲線を左右します。
ある国内SaaS企業では、創業者がすべての営業案件やプロダクト開発の進捗管理に介入していたため、意思決定のボトルネックが発生し、離職率が急増していました。そこで同社は、経営陣を「中長期の事業ポートフォリオと資本政策」に特化させ、日々の開発・営業オペレーションは執行役員を中心とする運営本部に完全委譲しました。
権限と責任の所在が明確になったことで、現場の意思決定スピードは従来の約3倍に加速し、経営陣は新規事業のM&Aに注力できるようになり、売上規模を数倍へと急拡大させることに成功しました。経営と運営の交通整理は、組織が成熟するための必須プロセスです。