日本料理の板場は、完全な実力主義と年功序列が融合したピラミッド型の組織構造で成り立っています。それぞれの役職には明確な責任と領域が割り振られており、持ち場を侵すことは許されません。
板場における主な役職と序列一覧
・花板(はないた):厨房の最高責任者であり、料理長を指します。献立の作成から食材の仕入れ、全体の指揮、原価管理まで全権を握るトップです。
・立板(たちいた / 一番板):花板に次ぐポジションで、主に刺身(向付)や魚の捌きを担当します。カウンター席で顧客と対面し、店の顔として包丁を振るう花形です。
・煮方(にかた):出汁の引き方や煮炊きものを一手に担う、味付けの要です。店の味のベースを決める極めて重要なポジションであり、立板と同格以上の腕前が求められます。
・焼き場(やきば)・揚げ場(あげば):焼き物や揚げ物を専門に担当します。炭火の火加減や油の温度を見極める高度な直感が試される中堅の持ち場です。
・脇板(わきいた)・向板(むこういた):立板の下につき、魚の下処理や野菜の切り込みなど、高度な下ごしらえを担当します。
・追い回し(おいまわし):板場の最下層に位置する見習いです。「洗い場」「片付け」「先輩の手元への買い出しや雑務」で厨房内を文字通り走り回ることからその名がついています。