エド・シーラン『Shape of You』ヒットの裏側と裁判の真相

エド・シーラン『Shape of You』ヒットの裏側と裁判の真相

エド・シーラン『Shape of You』ヒットの裏側と裁判の真相を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を分かりやすく展開します。

記録的な成功の陰で、エド・シーランは長年にわたり著作権侵害の疑惑と法廷闘争に苦しめられてきました。『Shape of You』を巡る最大の争点となったのが、イギリスのミュージシャンであるサミ・スイッチ(本名:サミ・チョクリ)らが2018年に提訴した裁判です。

原告側は、『Shape of You』の象徴的なフックである「Oh I, oh I, oh I, oh I」というコーラス部分が、彼らの2015年の楽曲『Oh Why』のフレーズを意図的または無意識に模倣(盗作)したものであると主張しました。この係争に伴い、エド・シーランに対する多額の著作権使用料の支払いが一時凍結される事態に発展しました。

2022年3月、ロンドンの高等裁判所で開かれた審理において、エド・シーラン本人が証言台に立ち、自身の作曲プロセスを実演交えて詳細に説明。ポピュラー音楽で用いられる基本的な音階の組み合わせにおいて、意図しない旋律の類似は自然発生し得るものであると論理的に主張しました。

2022年4月、アントニー・ザッカローリ判事は「エド・シーラン側が『Oh Why』を意識的にも無意識的にも複製した証拠はない」として、エド側の完全勝訴となる判決を下しました。

判決後、エド・シーランは自身のSNSを通じて次のような声明を発表し、世界の音楽業界に強烈な一石を投じました。

「ポピュラー音楽で使われる音階やコードの数は限られています。毎年数多くの楽曲がリリースされる中で、偶然の一致が起こるのは必然です。近年、根拠のない著作権侵害の主張に対し、『法廷で戦うコストを避けるために安易に示談で済ませる文化』が定着してしまっています。これはソングライター業界の創造性を破壊する行為であり、私はそれを止めるために最後まで戦いました」

なお、リリース初期に話題となったアメリカのR&Bグループ・TLCの代表曲『No Scrubs』との類似性については、エド側がリリース直後に先手を打ち、同曲の作曲陣(キャンディ・バラスら)を正式にソングライタークレジットへ追加しています。これは訴訟を避けるための事後的かつ友好的な権利処理であり、サミ・スイッチ訴訟とは性質が全く異なる事実も知っておくべき重要なポイントです。

森 瞳
著者

森 瞳

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