産休中の社会保険料免除は、自動的には適用されません。事業主(勤務先)を経由して公的機関への届出を行う必要があります。
1. 提出書類と提出先
事業主が「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」を作成し、日本年金機構(所轄の年金事務所)および加入している健康保険組合へ提出します。現在は電子申請(e-Govやマイナポータル等)を利用する企業が増加しています。
2. 申請時期とタイミング
申請が可能な期間は、「産前産後休業を取得している期間中」です。一般的には産前休業に入った直後、または出産後に実際の出産日(予定日より前後することが多いため)が確定した段階で、事業主が速やかに提出します。産休終了後でも一定期間は遡及申請が可能ですが、給与天引きの相殺処理や健保組合のデータ反映が遅れる原因となるため、休業開始前の段階で社内手続きの段取りを確認しておくことが推奨されます。
3. 会社負担分と将来の厚生年金受給額の真実
この制度の極めて優れた特徴は、「会社負担分も免除されるにもかかわらず、本人の将来の年金額が減額されない」点にあります。免除期間中の厚生年金記録は、休業前の標準報酬月額に基づいて保険料を全額納付したものとみなされます。労働者個人の権利が手厚く保護されている公的セーフティネットの代表例です。