前年の夏大会決勝で苦杯を嘗めた青道高校にとって、稲城実業との決勝戦はまさに最大の雪辱戦でした。関東最強サウスポー・成宮鳴を擁する稲城実業に対し、青道高校は先発マウンドに降谷暁を送り込みます。降谷は春の不調を完全に脱ぎ去り、MAX150km/hを超える剛速球と低めに鋭く落ちるスプリットを武器に、稲実打線を圧巻のピッチングでねじ伏せていきました。
試合が動いたのは終盤でした。6回裏に青道が1点を先制するものの、8回表に稲実が執念の同点劇を見せ、試合は1-1の緊迫した振り出しに戻ります。ここで青道ベンチは満を持してエース・沢村栄純をマウンドへ投入。沢村は立ち上がりのプレッシャーを跳ね返し、稲実の強力クリーンナップを気迫の投球で封じ込めました。
迎えた9回裏、青道高校の攻撃。先頭打者が出塁し、好機を作った場面で打席に立ったのはキャプテンの御幸一也でした。かつてシニア時代からの盟友であり、最大のライバルである成宮鳴との因縁対決。成宮の渾身のチェンジアップに喰らいついた御幸の一撃が右中間を破り、劇的な2x-1の逆転サヨナラ勝利を飾りました。青道高校は見事に前年の雪辱を果たし、7年ぶりとなる夏の甲子園出場を決めたのです。