ネット上で定期的に飛び交う「大岩亭は閉店したのではないか」「どこかへ移転したのか」という噂について、結論から明言すれば完全な誤認です。大岩亭は2026年現在も、愛知県安城市緑町の店舗にて暖簾を掲げ続けています。
それにもかかわらず、なぜこれほどまでに休業や閉店の憶測が後を絶たないのでしょうか。その最大の理由は、大岩亭が抱える「仕込みの過酷さ」と「突発的な臨時休業の頻度」にあります。
大岩亭の象徴である超ドロドロスープは、大量の豚骨と鶏ガラを巨大な寸胴で約11時間煮込み続けて作られます。寸胴の焦げ付きを防ぐため、店主である大岩武氏は灼熱の厨房で絶え間なく櫂(かい)棒を振るい続けなければなりません。この過酷極まる仕込み作業は店主の肉体に凄まじい負荷をかけており、過去にも体調不良やスープの仕上がりのブレによって、告知なしの臨時休業が幾度となく発生してきました。
遠方から新幹線や高速道路を使って遥々駆けつけたファンが、店頭に掲げられた「本日臨時休業」の看板を見て茫然自失となり、その落胆をSNSに投稿するケースが積み重なった結果、「大岩亭は休業している」「もしや閉店したのでは」という言説がデジタル空間で独り歩きしてしまったのが真相です。
さらに昨今、原油高に伴うプロパンガス代や原材料費の高騰が飲食業界を直撃しています。食べログの訪問記録などでも「ガス代が相当掛かっているはずで、価格改定もやむを得ない」と常連客が同情を寄せるほど、11時間炊き続けるコストは莫大です。厳しい経営環境と体調面の限界を乗り越えながら、店主は現在も愚直に一杯のラーメンに向き合っています。