では、なぜこの古めかしい神話の鳥が、現代のサッカー日本代表のエンブレムになったのか。
歴史を紐解くと、日本サッカーの父と呼ばれる中村覚之助の存在に行き着く。明治時代、日本に初めて本格的なサッカーを紹介した彼は、和歌山県那智勝浦町の出身だった。1931年、日本サッカー協会(JFA)がエンブレムを制定する際、彼の功績を称えるとともに、熊野の「導きの神」にあやかり、「ボールをゴールへと導くように」との願いを込めて八咫烏が採用されたのだ。
2026年現在も、代表チームの胸元で輝くその姿は、単なるデザインの域を超えている。勝利への道を切り拓くガイドとして、イレブンとともにピッチを駆け抜けている。