歌舞伎の屋号に潜む格付けの謎!成田屋と音羽屋が競う梨園の真実

歌舞伎の屋号に潜む格付けの謎!成田屋と音羽屋が競う梨園の真実

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江戸歌舞伎の幕開けとともに歩んできた「成田屋」は、歴代の市川團十郎が築き上げた荒事の創始者として、劇界において別格の頂点に君臨し続けている。観客を悪霊や災厄から守る圧倒的な霊力を持つと信じられた「睨み」は、市川宗家にのみ許された神事にも似た特権だ。歌舞伎十八番の筆頭格である『助六由縁江戸桜』の助六役を本名・市川團十郎が演じる際、舞台上に立ち込める空気の緊迫感は他の追随を許さない。

成田屋がなぜ序列の筆頭とされるのか。理由は単純明快である。江戸の庶民にとって團十郎は単なる役者ではなく、都市の守護神であり、流行の発信源そのものだったからだ。その圧倒的な集客力と格式は、時代が移り変わり、令和の興行体系が洗練された現在にあっても揺らぐことはない。座頭(ざがしら)として興行の看板を背負う資格を持つ屋号の筆頭であり、番付の最上位にその名が記されるのは、歴史が下した必然と言える。

山田 真由
著者

山田 真由

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