ファのシャープを澄んだ美しい響きにするためには、物理的なコツと日々の段階的な練習が欠かせません。ここでは綺麗な高音を出すコツとサミングの正しいやり方を具体的に伝授します。
1. サミング(0番孔)は「爪の先で三日月を作る」
親指全体をずらすのではなく、親指の第一関節を軽く曲げ、親指の爪の先をトーンホールの縁に引っ掛けるようにして「針の穴〜三日月状の極小の隙間(1〜2mm程度)」を作ります。隙間が大きすぎると倍音が鳴らず、小さすぎると低音に戻ってしまいます。
2. 息のスピード(アンブシュア)は「冷たい息」を意識する
低音のファ#は「温かい息をゆっくり(ホーー)」と流し込みますが、高音のファ#は「ろうそくの火を遠くから吹き消すような細く速い息(ヒューー)」を送ります。息の量を増やすのではなく、息の流速(スピード)を高めるのが成功の秘訣です。
3. リコーダー替え指一覧を活用した音程補正
メーカー(アウロス、ヤマハ、ゼンオンなど)や個体差によって、F#のピッチが高くなったり低くなったりすることがあります。以下のリコーダー替え指一覧を試して、最も音程が合う組み合わせを見つけてください。
- 高音F#のピッチが高すぎる場合:
標準運指【サミング・1・2・3・4・5】に、右手薬指(6番孔)を半分添える、または7番孔を軽く塞ぐことでピッチを20〜30セント下げることができます。 - 高音F#が鳴りにくい場合:
管の最下部(ベルの開口部)を太ももに軽く当てて吹く特殊奏法(現代曲やソロ演奏で用いられるベル塞ぎ)により、極めて安定した発音が可能になります。
4. ステップ式:初心者向けリコーダー練習法
- ステップ1(ソから下がる):「ソ(0・1・2・3)」を綺麗に伸ばし、息のスピードを維持したまま「ファ#」の指へ移行する。
- ステップ2(高音ミからのスライド):高音「ミ(サミング・1・2・3・4・5)」を吹き、親指の位置を変えずに右手を調整して「高いファ#」に繋げる。
- ステップ3(ロングトーンとチューナー確認):スマートフォンの無料チューナーアプリを使用し、音を伸ばしたときに針がセンターで静止する息圧を身体で覚える。