劇場の基本スペックにおいて最も注目すべきは、客席と舞台の圧倒的な近さです。上野ストアハウスのキャパシティは公演形態や美術プランによって多少変動するものの、標準的なレイアウトで約80席〜118席規模に設定されます。小劇場ならではの濃密な一体感があり、最前列から舞台面までの距離はわずか1メートル前後、最後列からでも約6メートル程度という緊密な空間設計がなされています。
観劇体験を大きく左右する座席からの見え方について、現場構造を紐解くと安心材料が揃っています。客席後方は可動式のひな壇によってしっかりとした舞台段差が確保されており、前の人の頭で舞台中央が遮られるストレスは極めて少なくなっています。パイプ椅子やクッション付きシートが採用されるケースが中心ですが、段差の傾斜角が十分に取られているため、2列目以降でも視界の抜けは良好です。
一方で注意したいのが最前列(A列など)の視界特性です。舞台面とフラットな位置に椅子が並べられるケースが多く、役者の細やかな表情や足元の動きまでダイナミックに体感できる反面、舞台奥の細かな演出は見上げるアングルになりやすい傾向があります。全体の空間演出や照明の広がりを俯瞰して鑑賞したい場合は、ひな壇の中段から後方(C列〜F列付近)がベストポジションといえます。