原作漫画を読んだ読者の中から時折上がる声が、「炭治郎とカナヲが付き合い始めた明確な告白シーンやプロポーズの瞬間が描かれていないのではないか」という疑問です。確かに、本編最終巻である第23話までの劇中では、トレンディドラマのような「好きです」「付き合ってください」といった直接的な言葉は描かれていません。
しかし、その疑問に決定的な答えを与えたのが、2021年に発売された公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』でした。この設定資料集において、決戦後のふたりの具体的な交流と関係性の進展が生々しく明かされています。
同書によると、鬼殺隊解散後、炭治郎は禰豆子、善逸、伊之助と共に山奥の生家へ帰郷しましたが、炭治郎は離れて暮らすカナヲに対して熱心に手紙を送り続けていたのです。炭治郎の手紙は非常に実直で温かく、日々の生活の様子や家族の近況を細やかに綴ったものでした。受け取ったカナヲもその手紙を宝物のように大切にし、返信を重ねる中で心の距離を急速に縮めていきました。
さらに、カナヲは視力を大きく損傷した自身の経験や胡蝶しのぶの遺志を継ぎ、生き残った愈史郎(ゆしろう)の指導を受けながら医師を目指して勉学に励みました。炭治郎はそんなカナヲの夢を誰よりも応援し、定期的に里へ赴いて交流を深めていたとされています。言葉先行の告白ではなく、誠実な文通と行動によるアプローチを積み重ねて結婚に至ったというのが、公式が提示した正真正銘の真相です。